名医のわかりやすい花粉症・アレルギー性鼻炎

聖路加国際病院耳鼻咽喉科部長の今井先生の著書で、鼻の構造、鼻の重要な働きから始まり、症状や検査、治療法、日常生活のセルフケアなどを網羅する本です。

固有鼻腔、鼻中隔、難知性副鼻腔炎のような普段はあまり聞きなれないような言葉や薬、検査の名前が多く出てきますが、はじめがきにもあるように、どこから読み始めてもよい構成で興味のあるところから読むことができます。
また治療方法などで困った時や疑問が沸いた時などに自分の判断を再確認するために関係がある部分を読みなおすような形で利用するのにも良いと思います。

薬については内服薬、点鼻薬と点眼薬、ジェネリック薬までが記載され、効果やどのように使われるかが参考になります。
私自身は目のかゆみも年々ひどくなっているので、来年は眼科を受診しようと思ったのですが、この本を読みステロイドの点眼薬はステロイド点鼻薬よりも注意が必要と分り、もし眼科でステロイド治療の話があったら医師とよく相談しようと思いました。

本の末巻には花粉症やアレルギー性鼻炎に関するQ&Aや用語集、アレルギー性鼻炎処方内服薬の内服回数と注意点などがあり、全国のアレルギー専門医・指導医のいる医療機関も記載されています。
このような情報はインターネットでも検索することができますが、情報量があまりに多く、目的の情報のところまで辿りつくことが大変だったりしますので、絞って書いてあると助かります。
距離的には近いところに、専門医がいる耳鼻科があると、今回初めて知った病院もあります。

患者自身が正しい基礎知識を身につけて、セルフケアなどの努力をしながら、どのような治療をしたいかを専門医の先生に伝えられるくらいになると、自分自身も楽に過ごすことができるし、先生も治療がしやすくなることが分る本でした。